2001年宇宙の旅はつまらない?小説を読んでみた感想とネタバレ

2001年宇宙の旅はつまらない? 小説を読んでみた感想とネタバレ読書

最近、「2001年宇宙の旅」という小説を読み終えたので、その感想を書いてみました。

以下、今回の内容です。

  • 2001年宇宙の旅とは?
  • 第一部から第六部まで、それぞれのあらすじや概要とネタバレを含めた感想
  • 各部、どこが面白くてどこが微妙だと感じたか

ちなみに、この作品を読んだきっかけは、同作者の「幼年期の終わり(幼年期の終り)」という小説を読んで面白かったからですね。

率直に言うと、私は幼年期の終わりのほうが面白いと感じられたため好きでした。

そのあたりの比較も書いています。

最後まで読んでいただくと、大まかなあらすじや面白かった点・微妙だった点がわかりますよ。

2001年宇宙の旅という作品が少しでも気になっている方は、ぜひ最後まで見ていってくださいね。

それでは、本題に移りましょう!

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2001年宇宙の旅とは?

2001年宇宙の旅は、1968年に公開されたSF映画です。

のちに「アーサー・C・クラーク」氏によって小説版も公開されると、伊藤典夫さんの訳で日本語版も出版されています。

ヒトザルの話から始まり、謎を解決するべく宇宙に旅立った人たちの様子を書いた物語

飢えと戦いながら生活していた人類の祖先ヒトザルが、ある日黒い石板(モノリス)を見つけたところから物語は始まります。

モノリスに触れたヒトザルは武器や道具を使うことを覚え、狩猟によって飢えることはなくなるのでした。

時は飛び、人々が月面で生活できるようになった時代、月の一部に磁気異常を検知します。

異常があった場所を掘り起こしてみるとモノリスが発見され、調査の結果、今の人類が誕生するはるか以前に埋められたものだと判明しました。

そして、掘り起こされて太陽光を浴びたモノリスからは信号が発信されます。

一連の謎を調査するべく、信号の向かった先にある土星を目指して宇宙を旅する様子が書かれていく物語です。

  • モノリスに触れたヒトザルが、道具の使い方を覚えて成り上がっていく第一部
  • ヒトザルの時代から移り、人々が月で暮らしている様子や磁気異常について書かれた第二部
  • 土星に向かって順調に進んでいく宇宙船内や、宇宙の光景について書かれた第三部
  • 宇宙船の頭脳を担っているコンピューター「ハル」に異常が生じる第四部
  • コンピューターのトラブルから脱し、土星を目指す第五部
  • 土星の衛星に見つけたモノリスに飛び込み、超常現象に襲われる第六部

ざっとまとめると、上のような構成になっていました。

実際に読んでみて、つまらなかったのか?

正直、面白かった部分もあれば、個人的に微妙だった部分もありました。

  • モノリスを始めとする、未知の存在に関わるシーンは面白かった
  • 情景描写が多かったり、パッとイメージできない宇宙関係の描写などは読む手が止まった

全体を通して振り返ってみると、上のような感じになりましたね。

特に第二部の前半は、第一部と比較して情景描写が多くなったことでストーリーの進みが遅く、読み疲れてしまってしばらく読むのをやめてしまいました。

宇宙に飛び立った後のシーンでは、私のイメージ力が足りないだけかもしれませんが、なかなか情景が浮かんでこなかったんですよね・・・。

そのため、流し読みしてしまった部分もありました。

モノリスなど、未知の存在に関するシーンは面白かったです。

全体的な概要はこのあたりにして、次は各部ごとの感想を書いていきますね。

第一部のあらすじや概要と、ネタバレを含めた感想

上のほうでも書きましたが、モノリスに触れたヒトザルが道具を使えるようになっていく様子が書かれています。

道具を使えるようになったことで狩猟もできるようになり、常に飢えと戦っているほど弱かった立場からヒトザルは成り上がっていきました。

ついには、それまでは恐れていた存在であるヒョウにも勝利して第一部は終わります。

謎めいたモノリスの存在と、ヒトザルが成り上がっていく様子が面白かった

宇宙とあまり関係ないうえにすごく単純ですけど、ヒトザルが成り上がっていく様子は読んでいて面白かったですね。

詳細不明なモノリスの存在感もSFっぽくて好きでした。

内容としてはプロローグっぽいですけど、全体的に見ても読みやすかったのがよかったと思います。

宇宙要素を期待して読み始めた人だと、がっかりするかもしれない

モノリスというSFっぽいものは出てくるんですけど、第一部は過去の地球を書いているため宇宙要素はないんですよね・・・。

私は普通に楽しめましたけど、宇宙要素を期待して読み始めた人の中には気に入らない人も出てくるんじゃないかと思いました。

特別宇宙が好きというわけじゃないので、私にとっては全然問題なかったです。

むしろ、サクサク読み進められてよかったですね。

第二部のあらすじや概要と、ネタバレを含めた感想

ここからはヒトザルは出てこなくなり、人が月面で暮らせるようになったレベルまで時代は飛びます。

地球から月に飛び立つまでの様子が書かれたのち、月面基地、そして月の磁気異常について報告されるシーンへと移りました。

異常があった場所を掘り起こして見つかったモノリスは、300万年前のものだと判明します。

モノリスが再登場したのと、月での生活について書かれていたのが面白かった

ちゃんと第一部とつながっていたのに加えて、地球ではなく月に埋まっていたという謎があったのもワクワクさせられました。

300万年前というはるか昔のものだと判明したあたりも興味がそそられますよね。

月での生活については、月では質量と重さの違いについて感じられるとか、月に長くいると若く見えるといったことが読み取れました。

地球の生活では想像もつかないようなことが、体験談みたいに書かれていて面白かったです。

月に行くまでと月面基地でのシーンにあまり興味が持てず、読み疲れてしまった

第二部の前半のあたりで、しばらく読むのをやめてしまいました。

月に行くまでのシーンと、月面基地での最初のほうのやりとりは退屈だったというか、うまく入り込めなかったんですよね・・・。

宇宙とか月旅行に興味がある方には申し訳ないんですけど、正直自分はあまり楽しめなかったシーンでした。

第三部のあらすじや概要と、ネタバレを含めた感想

年単位の時間をかけて土星に向かうまでの、宇宙船内の様子などが書かれていきます。

地球にいては想像しにくい宇宙旅行特有の話や、宇宙の光景も描写されていました。

それから、宇宙船の頭脳となるコンピューター「ハル」が登場します。

宇宙ならではの話や、近未来的な技術の描写は読んでいて楽しかった

いよいよ月からも離れ、宇宙に飛び立った後のことがいろいろ書かれていて面白くなってきました。

例をあげると、小惑星は時速数万キロで飛んでいるため、どんな小さなものでも衝突してしまったら宇宙船は破壊されてしまうといった話がありましたね。

衝突への対策は何もないようなんですけど、それは宇宙船に小惑星がぶつかる確率が本当に低いからという理由も知ることができました。

近未来的な技術については、SFっぽく人工冬眠のことが書かれていて、楽しみながら読めましたね。

宇宙空間についての描写は、イメージが難しくて流し読みしてしまった

私のイメージ力不足のせいかもしれませんが、宇宙空間についての情景描写がうまくイメージできなかったんですよね・・・。

結果、流し読みしてしまったというわけです。

映像作品と違って、文章で視覚情報による感動を伝えるのは難しいんだろうなと思いました。

第四部のあらすじや概要と、ネタバレを含めた感想

第三部から登場したコンピューター「ハル」に異常が発生し、暴走していく様子が書かれていました。

ついには宇宙船の搭乗員に死者が出たり、空気が噴出したことで船内が真空になるという絶望的なシーンが詰め込まれています。

結局、生き残ったのは一人だけで、長い長い孤独の旅が始まるのだとわかりました。

絶望的なシーンの連続で、とにかく先が気になった

地球からはるか遠方の宇宙空間でコンピューターに異常が発生し、死者まで出るんです。

更には船内が真空状態になってしまうとか、絶望感がやばくないですか?

とにかく先が気になってしまい、ドンドン読み進められましたね。

全体を通してみても、トップクラスの緊迫感や絶望感が味わえました。

部分的に難しく、理解をあきらめて流し読みしてしまったところもあった

具体的には、専門的なことが多く書かれていたり、船外活動の様子がわかりにくかった印象でした。

宇宙空間の情景描写のイメージとは、また違った難しさがありましたね・・・。

それでも部分的な話なので、流し読みしてしまっても問題はなかったんじゃないかと思っています。

ストーリーを追うこと優先で読み進めていきました。

第五部のあらすじや概要と、ネタバレを含めた感想

孤独になってしまった最後の搭乗員ボーマンの生活や、地球外生命体の考察などが書かれていました。

やがて、接近した土星の衛星に、月にあったものよりはるかに巨大なモノリスを発見します。

ポッドに乗り込んだボーマンがモノリスに近づいていくと、そのままどこまでも落ちていくのでした。

地球外生命体の考察だったり、モノリスの謎に迫っていくシーンが面白かった

個人的には、地球外生命体について考察されているところが読んでいて面白かったです。

それから、やっぱり第五部最後の巨大なモノリスが出てくるシーンですね。

モノリスに接近していった際に起きた不思議な現象も、謎に迫っているのか謎が深まっているのかよくわからない感じで好きでした。

宇宙船から離れて土星の衛星上のモノリスに近づくのは大胆すぎた

ボーマンはポッドに乗って、モノリスのある土星の衛星に近づいていくんですよ・・・。

わかりますかね、宇宙船を離れていくんですよ?

どうやって宇宙船に戻るつもりだったのかとか、どういう心理だったのかとか、うまく読み取れませんでした。

見逃していたり、私が読み取れていないだけなら申し訳ないんですけど、読了した今でもずっと引っかかっているシーンです。

第六部のあらすじや概要と、ネタバレを含めた感想

モノリスを落下しつづけていくと、時計の進みが遅くなっていったのちに停止したり、どこか別の世界に出てしまったのだとわかったりします。

やがて、見慣れた星座がひとつもない別の宇宙に出るのですが、恒星の近くを通っても無事なことから何かに守られているのだと確信しました。

そして視界が暗くなった後、ポッドが固い何かに着地したのは、地球にありそうなホテルと見た目だけがそっくりな部屋でした。

生身で外に出ても無事なことから、ボーマンはベッドで眠ることになるのですが、時間が逆行していくような感覚に襲われます。

ついには赤ん坊になってしまい、宙に現れたモノリスに触れて人間を超えた存在「スター・チャイルド」になるのでした。

急展開の連続で、ドンドン読み進められた

巨大なモノリスを落ちつづけていくシーンとか、別の宇宙に出てしまったシーンとかですね。

地球のホテルとそっくりな部屋に出ていたというのも、意外性があって面白かったです。

これでもかというくらい、第六部は急展開の連続でしたね・・・。

モノリスが結局なんだったのか読み取れなかったのと、最後にまた謎が増えてしまった

最後まで読みましたが、具体的にモノリスがなんだったのかはわかりませんでした・・・。

さらに、

  • ボーマンが赤ん坊になるまでに何が起きたのか
  • モノリスの大きさに違いがあったのは、何か意味や役割があるのか
  • スター・チャイルドとはなんなのか

といった感じで、謎は謎のままというか、むしろ謎が増えてしまった気さえしましたね。

ほかにも、地球のホテルにそっくりな部屋にあった奇妙な飲食物とか、細かい謎はたくさんありました。

まとめ

今回の内容を簡単に振り返っていきましょう。

2001年宇宙の旅は、1968年に公開された海外のSF映画で、のちに発表された小説の日本語版を今回私は読みました。

六部構成で、概要は以下のような感じでした。

  • モノリスに触れたヒトザルが、道具の使い方を覚えて成り上がっていく第一部
  • ヒトザルの時代から移り、人々が月で暮らしている様子や磁気異常について書かれた第二部
  • 土星に向かって順調に進んでいく宇宙船内や、宇宙の光景について書かれた第三部
  • 宇宙船の頭脳を担っているコンピューター「ハル」に異常が生じる第四部
  • コンピューターのトラブルから脱し、土星を目指す第五部
  • 土星の衛星に見つけたモノリスに飛び込み、超常現象に襲われる第六部

モノリスを始めとする未知の存在に関わるシーンは面白かった一方で、情景描写が多かったり、一部イメージしにくいところもあった作品です。

謎は謎のままで終わるほうが好きな方には、おすすめの作品だと思いました。

なお、同作者の小説「幼年期の終わり(幼年期の終り)」についても記事を書いています。

個人的にはこちらのほうが好きな作品でしたので、よかったら見ていってくださいね。

ここまで見ていただきありがとうございました。

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