「物質のすべては光」感想と個人的要約をネタバレありで語る

物質のすべては光 身のまわりの物質の質量95パーセントの起源を綴った名著読書

ハヤカワ文庫から出ている「物質のすべては光 現代物理学が明かす、力と質量の起源」という本を最近読んだので、その感想などをまとめていこうと思います。

以下、今回の内容です。

  • 「物質のすべては光」について、章ごとの要約
  • それに伴って、章ごとの読んでみた感想

ちなみに、著者の「フランク・ウィルチェック」氏は、ノーベル物理学賞を受賞されている方です。

そのおかげか、めちゃくちゃ興味深い内容でした!

ネットや解説動画で理系知識を摂取している私でも新鮮な体験ができましたので、おもしろさは保証します。

ただし、同時にめちゃくちゃ難しかったです!

そこで、予習にでも使ってほしいと思い、自分自身のアウトプットも兼ねて今回の記事を書いてみました。

ぜひ、最後までお付き合いくださいね。

では、本題に移りましょう!

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「物質のすべては光」について、章ごとの要約や感想

手品、宗教ときて、どれも満足させられなかった著者を満たしてくれた科学の物語です。

要約やら、わかりやすさ重視やらで正確性に欠けているかもしれませんので、ざっと内容を知るためだったり興味をもつきっかけ、本書を読む予習にでも使ってください。

第1章 「これ(イット)」に取り組む

私たちは、進化によって視覚や聴覚を獲得してきました。

しかしそれらだけだと、天体の運動、季節の移り変わりや1年周期の変化など、重要な事実はとらえられないと著者はいいます。

「考える精神」によってのみ、これらの重要な法則性やパターンに気づかせてくれると語られていました。

  • 哲学や神学は、宇宙や世界という壮大で崇高なことを語った。
    しかし、形而上学は進歩しなかったという。
  • 一方の科学は、地味だが明白な結果を示してくれるほか、その結果は今でも通用する

ほかにも、五感ではわからないようなことはたくさんあり、自然と対話する科学が大事だと、著者は主張しているような章でした。

第2章 ニュートンの第ゼロ法則

ニールス・ボーアは、真実は2つあるとして、それぞれ区別していたといいます。

  • 普通の真実は、その逆が誤りであるというもの
  • そしてもうひとつの真実は、その逆もまた深い真実であるというもの

このうちの後者の間違い方が、当たり前すぎて法則ではなく定義としたニュートンの第ゼロ法則、質量保存則だと著者はいいます。

つまり、質量は新たに生じたりもしないし、消滅したりもせず、過去から未来まで、全物質の全質量は不変だということです。

質量保存則が信じられてきたのは、それで物事がうまく説明できたからだといいます。

しかし、質量は不変ではありません!

粒子を光速に近い速度で衝突させた結果、元の粒子の全質量と、衝突後に生じる粒子の全質量とで、質量の違いがあったのです。

ちょっとした私の感想ですが、質量保存則が広く信じられてきたのは、その変化が本当にわずか、つまり精度が足りなかったからだと思いました。

第3章 アインシュタインの第二法則

ここで、質量の起源はエネルギーであることがほのめかされていました。

それから、質量がなくても、エネルギーがあれば重力は作用するといいます。

ここの説明では、光子にエネルギーがあるから重力によって曲げられるとありました。

でも、これはどうなんでしょう?
私は、「大前提として重力という名の空間のゆがみがあって、光の進行方向は変わらないけど空間それ自体が曲げられるために光も曲がって見える」と、そう解釈していたのですが、光子そのものが曲げられているのでしょうか。ちょっと疑問に思ったので、自分でも調べてみようと思ったポイントです。

第4章 物質にとって重要なこと

宇宙全体の質量のうち、そのほとんどはダークエネルギーダークマターという形態だといいます。

そして、それらは光を完全に透過するので、恒星や銀河に及ぼす重力を通した間接的な方法でしか認識できないとのこと。

そういったダークなものを除いた普通の物質は、原子からできています。

原子の質量の99パーセント以上が原子核にあるため、原子核を構成する陽子や中性子の質量の起源を探っていく、というような流れでした。

第5章 内側にいたヒドラ

  • 生物学、化学、エレクトロニクスといった分野では、電子が主役
  • しかし、太陽を含めた恒星などを考える場合、原子核が主役となる

原子核は、原子の約10万分の1サイズであり、これは、ナノテクノロジーのおよそ100万分の1のスケールとのこと。

顕微鏡で調べるのは無理があり、そのため、加速器や粒子の衝突装置を使ったりして調べることになるといいます。

原子核は、陽子中性子で構成されるが、これらはいくつか違いがあるみたいです。

  • 陽子は正の電荷をもつが、中性子は電気的に中性
  • 単独の中性子は不安定であり、約15分の寿命で、陽子(と電子と反ニュートリノ1個)へと崩壊する
  • あと、中性子のほうが約0.2パーセント重いとか

ここで、陽子や中性子間にはたらく力(強い相互作用)の解明に向かうのですが、その力は単純なものではなく、粒子同士の距離、粒子の速度やスピンなど、複雑に関係してくるとわかりました。

また、高エネルギーの陽子を衝突させる実験では、単純に陽子の向きが変わるということだけでなく、衝突後には陽子ではない3つ以上の粒子が存在したりするようでした。

この実験の過程で新たな粒子が発見されたりしたようですが、それらの粒子にも強い相互作用がはたらくといいます。

そのため、陽子と中性子だけを調べればいいというわけではなくなるとのこと。

複雑な化学反応を、電子などの単純な法則で考えるように

上記の複雑な実験結果も、背後にはもっと単純な法則があるのではないか

という流れになります。

ところが、高いエネルギーで陽子をぶつける実験では、もともとあった以上の陽子ができてしまったりと、科学者たちを悩ませる結果となるのでした。

第6章 物質(イット)のなかのビット

はい、ごめんなさい・・・
難しいし、内容も日常とはあまりにもかけ離れたようなもので、正直よくわかりませんでした。
なので、わかった範囲で書いていきます。

  • 電子がとりうる2つの状態のエネルギー差は比較的小さいため、その差が原子全体の質量に与える影響は無視できる
  • これがクォークの話になると、2つの状態のエネルギー差は極めて大きく、クォークにとっての原子(つまりハドロン)に及ぼす質量の影響も大きい

原子のスペクトル光の波長を見るものに対して、ハドロンのスペクトルは重さをはかるものとも言い換えられるのだとか。

これによって、別々の粒子と思われていたものが、その内部のクォークの運動パターンの違いでしかないという考えが出されました。

  • 量子力学の理論では、同じ原因からたくさんの異なる結果をもたらすため、短期的な予測は難しい
  • しかし、それらの異なる多数のデータを集めることで、確率として長期的な予測はできる

という、なんだかおもしろいことが語られていましたね。

第7章 具現化した対称性

はい、六章に引き続き難解な内容でした・・・

量子色力学(QCD)にある対称性という概念について、まず説明されていました。

1つの物体を知ると、そこに存在する対称性を使うことで、新しい物体の存在やその性質などを推論できるといいます。

QCDと似ている少し古い理論に量子電磁力学(QED)というものもあるそうで、あわせて説明がなされていました。

図もあったんですけどね、難しくてよくわかりませんでした・・・

QCDにおけるグルーオンは、QEDにおける光子と似たような役割を果たしているそうですが、光子とは違ってグルーオンはグルーオン同士でも反応するそうです。

私たちの世界で光同士は反応しないのに、光に相当するグルーオンが反応するというQCDの世界を想像すると、不思議ながらもおもしろいと思いましたね。

第8章 グリッド(エーテルは不滅だ)

物理学用語の「場」なんかについて書かれていました。

相変わらず難解で、抽象的な話もあってわからなかったです。

ただ、科学史?みたいなところは読んでいてわかりやすかったですね。

偉大な科学者でも、ほかならぬ本人が導いた理論を認めたがらないといった話があって、私はそういった話は知らなかったので意外に思いました。

  • ニュートンとか
  • アインシュタインとか
  • ファインマンとか

すごく有名な方の名前が出てきたので、本当に驚かされましたね。

あと、光子が超電導体の内部では質量をもつという話がおもしろかったです!(これは、質量ゼロのはずの光が、条件次第では質量をもつということ)

そこから、光子における超電導体内部のように、質量をもたない粒子に質量を与えるものが、空虚に思える空間には存在していて、それらの多層構造のなかにいるというふうに話が展開されていきます。

ものすごく壮大かつ興味深い内容でした。

また、現在しか存在せず、過去や未来は精神によって作り出されるという話もあって、難しい章ながらも要所要所で楽しませてもらいました。

第9章 物質を計算する

  • 量子のスピンとか
  • EPRパラドックスとか

について書かれていました。

量子もつれとも呼ばれている現象で、2つの量子ビットのうち片方のスピンが決まると、もう片方のスピンもその瞬間に決まる、つまり情報が光速を超えて伝達されたように見える、というパラドックスです(情報も光速を超えて伝わることはできないはず)。

これに対し、著者は、もつれ状態にするには2つの量子ビットを最初に接近させておく必要があり、その後移動させる速度は光速を超えないのだから、その間も情報をやりとりされていて矛盾がないと説明していました。

たとえがヘタクソかもしれませんが、光速を音速に置き換えてみると個人的にわかりやすいと思いました。
スピーカーか何かで大音量を垂れ流しながら、車でも人でも、両者が離れていくところを想像してみてください。どちらも音速を超えて移動することは無理ですよね?音速は秒速約340メートルですから、500メートルぐらいまでお互い離れていくことにしましょうか。すると、音速では1秒以上かかる距離ですが、垂れ流しの音でなにかずっと指示(例として、500メートル地点到着と同時に両目を閉じるとか?)され続けていた場合、簡単なものであれば1秒とかからずにこなせるでしょう。
この「音」の代わりに、量子もつれ状態の粒子はお互いの状態を見えない指示として通信し合っていて、いつでもスピンが確定できる状態にあると、私は解釈しました。

このパラドックスになんらかの答えを出している人って、私にとって初めてだったので、印象に残りましたね(理屈のほうも、完全にではないですが私は納得できましたし)。

あとは、結構有名なラプラスの悪魔の話もありました。

ラプラスの悪魔とは、ざっくりいえば、現在におけるすべての粒子の位置と速度(運動状態)を解析できる知性があるとすれば、物理法則などを使って、未来も過去同様に見えているかもしれないよね?っていう想像です。

しかし、量子論ではあくまでも確率的にしか予測できないのであって、確実なことを予測できるものではないとしています。

こういったことから、ラプラスの悪魔の存在は不可能というか、否定的な感じでした。

第10章 質量の起源

ここからが本題だと私は思いました。
最初にいっておくと、短いながらも、とても興味がそそられるおもしろい章でした。科学系の雑学が好きな方は、きっと衝撃を受けるはずですよ!

まず、色荷(量子の性質の1つだったはず)というものがあって、それはグルーオン場に擾乱をもたらすといいます。

しかも、距離とともにその擾乱は大きくなるらしいんですよ。

これはつまり、無限の体積があればそれらすべてを擾乱してしまうわけで、当然それには無限のエネルギーを必要とします。

したがって、クォークは孤立して存在できないようになっていると説明されていて、私はこれで腑に落ちましたね。

また、反対の色荷をもつ反クォークというものもあって、それはちょうどお互いの擾乱を打ち消し合ってくれるそうです。

すると、すぐ近くに置きたいところでしょうが、そううまくはいきません。

不確定性原理というものがあって、それは、位置を正確にしようとすると、その粒子の運動量は大きくなる(つまりエネルギーも大きくなる)というものです。

そんなわけで、エネルギーをゼロにすることはできないそう。

板ばさみにされながら妥協を強いられた結果、ゼロにできなかったエネルギー分の質量が生じ(アインシュタインの方程式より)、それが我々の身近な物質のうちの95パーセントの質量の起源だということでした。

原子にも、似たような機構がはたらいているといいます。

負電荷をもつ電子は正電荷をもつ原子核とくっつきたいはずですが、それだと位置が正確になってしまい、不確定性原理により運動量(エネルギーも)大きくなってしまうので、くっつかずに離れているんだと私は解釈しました。

はい、この章はこれまでのなかで一番おもしろく、読んでいて楽しかったですね。
これまでのまとめ的な感じもあってか、簡潔かつ興味深い内容を読ませてもらいました。

第11章 グリッドの音楽――二つの方程式のなかの音楽

方程式を変形したりして、粒子の振動数と質量とを結びつけていました。

粒子の組み合わせによって振動数が異なるため、質量が音楽を奏でていると著者は言いたいようでした。

第12章 深遠な単純さ

完全な理論は、どれか1つの要素でも欠けるとダメになってしまうため、もろいという話でした。

モーツァルトの話と絡めたりしていて、(ほかの難解な章と比較した場合)わかりやすく、おもしろかったですね。

重要な要素は動かせないために、自由にできる要素を加えることで、完全性を保ったまま動かせたり取り除いたりできるという話もあって、なるほどなあと思いました。

この自由な要素が、根本は単純な現実の理論を難しくみせている原因になっているのかなと、サブタイトルの「深遠な単純さ」と絡めて考えてしまいましたね。

第13章 重力は弱いのだろうか? 実際にはそうだ

この章では、重力は弱いということが書かれていました。

磁石で釘とかを持ち上げられることなどから、重力は弱いということは知っていましたが、著者のたとえがおもしろかったですね。

原子核と電子間にはたらく電気力を消して、重力だけで引き合うようにすると、その原子?の半径はなんと観測可能な宇宙の100倍になるそうです。

ほかにも、電気力の”小さな”不均衡で雷が発生したり、強い相互作用の場合では核爆発が起きたりと、重力以外の力との比較がなされていておもしろかったです。

第14章 重力は弱いのか? 理論的にはノーだ

前章をふまえて、重力が極端に弱いことは理論的に問題があると書かれていました。

  • 強い力はクォークには作用するが、電子には作用しない
  • 電磁気力は電子とクォークには作用するが、光子やグルーオンには作用しない

といった具体例をあげられていて、重力の普遍性(つまり、どんなものにも作用する性質)をあらためて不思議に思いましたね。

第15章 ほんとうにすべき質問

重力の弱さについて、著者は、私たちに見えている重力の弱さはどうしてかという疑問を投げかけます。

前提として、重力の強さは私たちが観察する物体の質量に比例します。

そこから、物体の大質量を占める陽子と中性子はなぜこんなに軽いのか?という方向に行ったのはおもしろかったですね。

ただ、個人的には、そういうものだとしか思えませんでしたね・・・。だって、惑星とかのスケールからしたら重力は十分大きいわけで、私たちは私たち人間のサイズだから重力が弱く感じるとしかいえないじゃないですか・・・。数多くの物体を構成している陽子や中性子基準で考えたくなるのは、まあわからなくもないですが。

そんな感じで、私は著者と違う考え方だったので、逆に次章以降を気にならせてくれました。

第16章 美しい答

ちょっと、著者の主張や言いたいことが伝わってきにくく、難しかったです。

前章であった陽子の質量が軽い理由ですが、その前に、10章の内容の復習をしておきます。

まず、クォークの色荷はグルーオン場を擾乱し、それは離れるほどエネルギーとともに大きくなっていくというものでした。

エネルギーが大きくならないよう、反対の色荷をもつ反クォークをそばに置いて擾乱を打ち消したいところですが、位置を正確に近くにしすぎると、今度は不確定性原理によってエネルギーが増大してしまいます。

ただ、擾乱が大きくなる速度ゆっくりだから、反クォークを置く位置も比較的大きく取ることができ、不確定性原理による運動量(エネルギー)の増大も抑えられるそう。

その結果、擾乱によるエネルギーと不確定性原理によるエネルギーを合わせても、エネルギーはあまり大きくならず、陽子の質量も増えなかったとのことでした。

ただ、これってどうなんですかね・・・
原子の大きさが小さい理由を、原子核と電子が引きつけ合う電気力が大きいからと言っているような、そんなモヤモヤ感が残りました。基準もよくわからないのに「ゆっくり」だと断定している点でしょうか?うまく伝わらなかったらごめんなさい・・・

後半でもう少し続きが書かれていましたが、著者の言いたいことが難しくてわかりませんでした。

  • 特殊相対性理論
  • 量子力学
  • 一般相対性理論

これらを柱とした統一理論をつくりたい場合、なんでも、根底に存在する基本的な物理法則は、プランク定数で表現したときに自然に見えなければならないそう。

こういった理由から、重力の弱さ、言い換えれば、プランク単位で表現したときの陽子の質量が小さすぎるのが問題とのことでした。

ただ、プランク定数とどう関係しているのか、なんで結びつけられるのか、個人的にはいまいちわかりませんでした。

それとは別にプランクの話もあって、

  • 光速と
  • プランク定数と
  • 万有引力定数

という、数だけで単位をつくれるという話は興味深かったですね。

メートルとかは地球の文化的な産物でしょうし、物理法則から単位を導くという、宇宙人に対しても普遍的に使える単位という発想はおもしろいと思いました。

このへんの話に興味がある方は、「オズマ問題」とかで検索してみるとおもしろいと思います。
簡単にいうと、右と左を宇宙人にもわかるように伝えるにはどうしたらいいかって感じの話です。

第17章 統一――セイレーンの歌

またもや難しい章でした・・・

標準模型といわれるものについて説明がなされていたのですが、まあ難しくてよくわからなかったですね・・・

ほかにも、ニュートリノの話だったり、クォークとレプトンの3つの世代の話だったり・・・

読んでいて、興味深さよりもよくわからないという気持ちが強かったです。

第18章 統一――ガラスを通して、ぼんやりと

  • 統一理論についてだったり
  • 基本的な力が同じ強さでなければならないことだったり

について書かれていました(相変わらず難しかったです)。

説明では、グリッドのゆがみを通してしか私たちは力を感じることができず、そのゆがみを取り払えば同じになるはずだといった感じのことが書かれていました。

そして、そのためには高エネルギーを与え、極めて短い距離で見分ける必要があるそう。

しかし、この方法ではうまくいかないという結果を示して、18章は終わりました。

第19章 擁護可能性

反証可能性擁護可能性の話がされていましたが、物理の話じゃないのにもかかわらず、難しくて理解できませんでした。

前章で失敗した統一理論ですが、少しやり方を変えるといったところで19章は終わりました。

第20章 統一♥SUSY

方程式の解として新しい何かの存在が示唆され、その後に現実世界で発見というパターンが多いそうです。

  • ディラックが反物質を見つけたときや
  • マクスウェルが可視光から電磁波へと拡張したときなど

例があがっていました。

そして、著者のいう超対称性では、場の数を増やすことを要求するといいます。

私たちのいるどの場でも、パートナーのように新しい場があるとされ、この新しい場の揺らぎのせいで、重力を含めた基本的な力の大きさは違って感じられるそうです。

このへんの話、書いている自分でもわからなくなっています・・・

逆に、その揺らぎを取っ払ってみると一致するということを、グラフなどで示してくれていました。

反物質やら電磁波やらと違って聞き慣れない概念だからでしょうか、腑に落ちない原因が指摘できないといいますか、わかるようでわからないというような気持ちに私はなりましたね・・・

第21章 新しい黄金時代の予感

  • これまでのまとめだったり
  • ダークマターの話だったり
  • 将来的な話だったり

いろいろ書かれていました。

  • 超対称性で予言されるパートナー粒子が、ダークマターの候補だといいます。
    ビッグバン後、今日までどのくらい生き残っているか計算すると、最も軽いパートナー粒子と現在のダークマターの量が同じくらいになるとのこと。
  • ほかにも、量子色力学(QCD)の対称性を損なうものがあり、これを説明できる新しい粒子、アキシオンがダークマターの候補かもしれないとのこと(内容が難しく、正確に読み取れていなかったらごめんなさい)。
  • あとは、ニュートリノに質量があることを確認されたため、陽子が崩壊することも確認されるだろうとのことでした。

これらの関連性は私にはさっぱりわかりませんでしたが、なにか共通するものがあるように書かれていましたね。

エピローグ――つるつるした小石、きれいな貝殻

電子の質量が大きければ、原子の大きさが小さくなり、今の生命が誕生するかも怪しかったと書かれていました。

電子の質量が今よりも小さい(原子の大きさが大きい)場合も同じようです。

どうして電子は今の質量なのかという疑問を投げかけていました。

個人的には(今の質量に決まった理由など)特に意味なんてない派なのですが、それは思考停止なんじゃないかと考えさせられましたね。

いつか、質量やら物理定数やら、今の値に決まった理由も解明する日が来てほしいと思いました。

補遺A 粒子は質量を、世界はエネルギーを持っている

アインシュタインの方程式に、質量ゼロの光子の値を代入するとおかしなことになると説明されていました。

その方程式の解のとおり、光子は任意のエネルギーをとるという話が確かになと納得させられ、おもしろかったです。

  • 質量があるものだと質量がエネルギーを決める一方
  • 質量がない光子は振動数がエネルギーを決める

って、たしかにそうなんですけど、なんでそうなっているのか不思議に思いましたね。

補遺B 多層構造で多色(マルチ・カラー)の宇宙超電導体

超電導の本質は、抵抗がゼロなことではなくて、超電導体内部に磁場を存在させておくことができないほうにあると書かれていました。

それには、外部の磁場を打ち消すための磁場が必要で、それには電流を維持しなければならないといいます。

難しいのではしょりますが、とにかくエネルギーが必要になってくるため、超電導体内部では光子が質量をもつとのことでした。

  • このときの光子の質量は、陽子質量の10のマイナス11乗倍かそれ以下というもので
  • WボソンやZボソンの質量は陽子質量のおよそ10の2乗倍(100倍)

だそう。

つまり、質量を獲得したとしても、光子は陽子と比較してめちゃくちゃ軽い。反対に、WボソンやZボソンは陽子の100倍程度重い。

一応補足として、WボソンとZボソンは、弱い力をもたらしているW場とZ場から生じる粒子らしいです。

電磁気力と弱い相互作用に似たところがあるという話を知ることができた章で、おもしろかったです。

補遺C 「間違ってはいない」から(たぶん)正しいへ

短かったのですが、話があっちこっちしていたからか、私自身飽きちゃったのか、疲れたのか、うまくまとめられませんでした。

ほかの章や補遺と比べると個人的に見劣りする項目でしたし、まあいいかなと思っています。

どうしても気になる方や、自分で本に目を通したいと思った方は、ぜひ全編読んでみてください。

そこらへんの小説やラノベを凌駕するおもしろさと気づきをくれた本でした。

「物質のすべては光」を読み終えての感想や雑談など

ここまで見ていただきありがとうございます。

以下は本の内容というよりかは個人的な雑談が多めなので、それでもいい方だけどうぞ。

まず、こういった解説書をブログにまとめるのは初めての試みでした。

正確には初めてじゃないんですけど・・・。
結構前にサピエンス全史をまとめようとして、途中で断念しちゃったんですよね。ただ、今回はなんとかアウトプットがんばりました(補遺Cは許して・・・)。

アウトプットはインプットよりも大事といわれていますし、ブログもやっているなら書かなきゃ損だと思って書き上げました。

アウトプットは私自身のためでもありますが、主目的は紹介と布教です。

これを読んでいる方にもぜひとも読んでいただきたい本だと思ったので、こうやって記事にしてみたわけです。

このページは予習にでも使ってみてください。

ネタバレありでも楽しめるというか、むしろ初見には厳しいと思ったので、ぜひ活用をどうぞ。

科学的な雑学が得られるだけでなく、読み物としてもそこらへんの小説よりずっとおもしろいと思ったので、かなーりおすすめです。

難しいには難しいですが、それ以上の魅力にあふれている本でしたので、ぜひ読んでみてください!

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